岩手・浄法寺 なつかしの味・手作り工房 琥珀色に輝く雑穀水あめ

作っているのは、「堀口京子さん」雑穀水あめの匠として認証されたお母さんです。[匠]

雑穀水あめは、シンプルながらも時間と手間のかかる大変な作業を経て出来上がります。
堀口さんの畑で収穫した無農薬で育てた「いなきび」と「麦もやし」が材料。
麦を3日ほど水に浸し、水を切り、筵の上にその麦を置き1週間ほどかけて発芽させます。それを乾燥させて粉末にしたものが「麦もやしの粉末」です。この麦もやしは、水あめ作りには欠かせません。

お湯を張った大きな鍋に蒸した「いなきび」を移し、「麦もやしの粉末」を混ぜ込んでいき、8時間から10時間寝かせ発酵させます。
このときのお湯の温度によって甘みや色が違ってきてしまうため、温度管理が水あめ作りの一番のポイントだそうです。匠の堀口さんは、温度計を使わずに永年の感覚で見極めます。

さらに、発酵した「いなきび」をざるで漉しゆっくりコトコト。。。20時間煮詰め、やっとで「水あめ」が出来上がるのです。コトコトが重要。火が強くならないように沸騰しないように焦がしてしまわないように、ゆっくりゆっくり煮込んでいきます。
これはまさにスローフードです。
驚くことに4.5キロものいなきびを使って、半分の分量の水あめにしかなりません。貴重な水あめです。
全て手作りでの堀口さんの雑穀水あめが、少し高価なのに大評判になるのも納得がいきます。
味は、お砂糖のようなガツっとした甘みではありません。いなきびの風味をふんわりと感じる、どこか懐かしい優しい甘さです。
同じ水あめでも、堀口さんの水あめの美味しさは、別格!と、わざわざ遠くからお店にこられる人も少なくありません。

いなきびと水あめ(煎餅)の写真

いなきび

粟より少し大きめのきれいな黄色の粒です。
一般的には黍(きび)と呼ばれ、おはぎやお団子に使われることが多い雑穀です。
マグネシウムを多く含み、ビタミンB群とミネラルのバランスが優れています。

水あめの食べ方

浄法寺町のあたりでは、お餅に雑穀水あめをかけて食べたりするそうです。想像しただけでも美味しそう!!
この日、堀口さんは、南部せんべいにこの水あめを挟んで出してくれました。風邪を引いたときなどは、お湯に溶かして飴湯として飲んだりするそうですよ。
煮物の照りつけに使ったりする人もいるそうですが、私は・・・そのままがお薦め。

取材日記 この日、浄法寺は晴れ。 とても気持ちのいい日でした。「おはようございます!まがりや.netです」 朝10時、堀口さんのお宅にお邪魔しました。 「あれ?忘れてたよ!」 とっても気さくな、優しそうな堀口さんが出迎えてくれました。 すっかり私たちの訪問を忘れていてくれたおかげで、水あめの発酵準備を進めていたところで、運良く水あめ作りの一部を拝見することができました。 堀口さんは、実は水あめだけを作っているわけではありません。 この地方に伝わる「くしもち」や「かまやき」などの作り方を、小学校に行って 教えたりする活動もしています。 受け継がれてきた田舎の味を次の代に伝えていくことは、とても大切なことですよね!! 煮豆の美味しい作り方も教えていただきました。 (これについては、後ほどブログでご紹介させていただきます。) 堀口さんのうわさを聞いて、遠くからも水あめを求めてたくさんの人が訪れます。 取材の間にも、わざわざ青森から、水あめを求めていらっしゃった方がいました。 しかし、前日に水あめは全て完売。 作り始めた水あめが出来上がるまで商品がありません。あと4日後にしかできないよ・・・ そのお客さんは、堀口さんの試食用の水あめを食べて残念そうに帰っていきました。 ・・・次回は、このまがりや.netで。

生産者のご紹介

岩手県北部の浄法寺町のなつかしい味・手づくり工房の堀口さんは平成10年雑穀水あめの匠として認証されました。
昔から伝えられてきた田舎の味を、さまざまな人たちに教える活動もしているお母さんです。
水あめや、くしもちを売っているお店の隣には、田舎の味を食べさせてくれる食堂も作ってしまいました。
そんな活動的な堀口さんの作り出す、優しい甘さの水あめをご紹介します。

なつかしい味・手づくり工房のレビュー

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