紡ぐ 〜tsumugu〜 受けつがれるもの、受けついできたものを、大切に守る人たちをつなげる特集

住田町 Vol.1 佐藤 道太さん(28)

生まれ育った岩手県住田町で幻の住田町にんにくを育てている新進気鋭の若者だ。彼は、高校卒業後、東京の大学に進学し卒業を機に地元で農業をすることを選んだ。「実家に帰って農業をする!それは決めていました。」もともと、道太さんの祖父は農業を営んでおり体調を崩して引退するまでは農作物を育てていたこともあり、幼いころから農作物を育てる祖父の背中を見てきたので農業という職業の選択は自然たっだ。

topic 農業に対する思い

どうせやるなら地元の名産になるものを育てたい。地域に根差したことができればいい。そんな、思いを後押しするものがみつかった。40年ほど前、にんにくの産地というものは固定されておらず、住田でも住田にんにくとして栽培がされていた。住田の土、環境はにんにくの生育に適しており、質、味共にとても評判のいいものだった。しかし、にんにくは秋に作付したものが6月末にしか収穫できない、単作のため収入に限りがあり、時代と共に住田にんにくを育てる農家さんがいなっくなってしまった。道太さんは、そのにんにくに目を付け、地元の名産品の復活を心に決めた。とは、いうものの住田にんにくというからには、よそから種を持ってきたのでは違うものになってしまう。農業を初めて最初に行動を起こしたのは、住田にんにくの種を探すことだった。方々探し求めたが、なかなか見つからずあきらめかけた時、すぐ何件か隣のおばあちゃんが一握りの住田にんにくの種を大切に守っていたことを知った。おばあちゃんから種を譲り受け、道太さんの挑戦は始まった。受け継いだ一握り3kgのにんにくを畑に植えたのが5年前。まずは、種になるにんにくを増やすことから始まった。 「最初は、なかなか思うような種が取れませんでした。しかし、去年あたりから商品としても種としても納得のいくにんにくが収穫することができるようになりました。」今年も6月末、まるまると育った「住田にんにく」の収穫が始まった。 収穫したにんにくは、35℃から40℃の温度で、1か月から2か月かけてじっくりと乾燥させる。その間、管理をしながら24時間風を送り続ける。この時期、周辺は、食欲をそそるようなにんにくの香りでいっぱいになる。収穫したにんにくは、すでに予約が入っており完売。県内外のレストランなどの飲食店にすべて出荷される。春から初夏にかけて雨が少なくとても暖かな日が続いたおかげでとてもいい生育を見せたにんにく。「今年は天候に恵まれてよく育ってくれました」道太さんの手にはまるまると育った輝く住田にんにくが輝いて見えた!! また、今年は、地元の若者たちと一緒ににんにくカレーを開発発売した。「にんにくの香りがとてもいい、かなり美味しいカレー」と大評判。自分のにんにくをいろんな人に食べてもらって住田町ににんにくがあることを知ってもらいたい。そんな思いが一つの形になった。

topic 道太さんの思い

農業を初めて、大変さも経験した。でも、今の気持ちを言葉にすると「農業は、楽じゃないけど楽しい!!」道太さんの住田にんにくは、一歩一歩確実に住田の名産品として歩み始めたようだ。

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